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 今回の働き方改革法案の裁量労働制について、マスコミの恣意的な報道が原因だと思うんですけど、どうも一般の労働者や非正規雇用にまで適用を拡大する、規制緩和の法案だと考えている人が多いみたいです。

 でも実際には以前エントリーしましたが、実際裁量労働制を適用できる労働者は企画や会社の運営に携わるような、時間に縛られない様な仕事をしているごくごく限られた人に限定され、政府の答弁はその条件さえ満たせば、非正規雇用者にも法律上は適用できると答えたまでです。

 非正規雇用者で実際に適用できるのは一体どれだけいるのか・・・という話なんですよね。

 要するに

 派遣社員への適用は法的には可能だけど、実質的にはほとんど無理に近いという事

 正社員でも少数だと思います。

 で、今回の法案では、裁量労働制を適用できる労働者を法的に定義して、線引きを明確化させているのであって、ただ単に裁量労働制を拡大させようとしているわけではありません。

 しかも罰則が追加されて、どちらかと言うと規制が強化された面が大きいと思うんですけどね。

 

 労基は動いてくれないと愚痴っている人がいますが、まずは法整備をしないと労基も動くに動けないと思います。法的根拠がないのですから。

 それとも、同法案に反対している人は、どうせ労基が動いてくれないのだから、法整備は不要で、線引きを曖昧にしたまま、グレーゾーンの枠内での企業の脱法行為を容認するべしという考えなのでしょうか?

 

 法案の中身を見ずにただただ

「これで残業代がゼロになってしまう」

「定額で働かせ放題になる」

「企業に無理やり裁量動労を押し付けられる」

 などと、つぶやくことは、企業の違法行為を容認する様な行為であり、法律の中身を勘違いして訴えることを諦める人を量産してしまう事に繋がると思います。

 

 

 悪いのは法律ではなくて、法を守ろうとしない企業のはずです。

 なぜ法律を守ろうとしないブラックな企業を批判しないのか、それに大人しく従おうとするのか・・・

 いや、私は社畜のままがいい・・・政府は余計なことをするな! という事なんでしょうか?

 うーん。良く分かりません。

 

 労基のマンパワーと予算が足りていない事は百も承知ですが、法的な根拠がなければ労基の人員拡大も難しいですし、予算を獲得することも難しくなるでしょう。

 まずは法整備。そこからがスタートだと思うんですが、法適用時期を1年延期させる事を検討するという報道も出ており、ちょっと残念ですね。

 一年間、グレーな状態のままで裁量労働が企業の裁量で乱用されやしないかと・・・心配ではあります。

 

 まあ、それでも何か「ウチの会社おかしくね?」と思われる節があれば、迷わず労基に相談することが重要でしょう。

 労基も諜報機関の様に各企業に潜入し、捜査しているわけではないですから、こちらから訴えなければ動きませんよ? また、訴えるにしても労基が動かざるをえない様な、企業の違法行為の証拠となるものを提示できた方が良いと思います。

 ちなみに政府は労基の強化を全く考えていないわけではないです。来年度100人程労働基準監督官を増員する様です。

労基監督官増員へ 来年度100人 長時間労働を是正  日本経済新聞 2017/8/23

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG22HBU_T20C17A8CR0000/

『 政府が長時間労働や賃金未払いなどを調べる労働基準監督官を来年度、100人増員する方針を固めたことが、23日までに分かった。厚生労働省が来年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。政府は働き方改革の一環として罰則付きの残業規制を設ける方針で、違法な長時間労働の取り締まりに向け体制を強化する。(後略)

 100人じゃショボイ! という批判もあるかもしれませんが、何もしないよりはマシだと思います。

 みんなが労基に訴えまくったら更なる増員あるかもしれませんよ?

 

 この高橋洋一氏のツイートを「労基が動くわけねぇだろ」とか「現実見ろ」などと言って、あざ笑っている連中がいましたが、この人達は労働者に対して泣き寝入りすることを推奨しているのでしょうかね。

 まずは訴えなければ何も変わらないでしょうに。

 

 労基への問い合わせ、訴えが増加すれば労基も動かざるを得なくなるでしょうし、政府も対応を迫られる事になるでしょう。

 

 ましてや、今の労働市場は人手不足の売り手有利な状態です。労基ではなく企業に訴える手もありです。

 人材の確保が困難になっている今は、労働者の意見は通りやすくなっていますから。

 労基に訴えることを会社に仄めかすのも効果的かと思います。昔とは違い、ネットやSNSが普及した現在では、これまで積み上げてきた企業イメージも一瞬で崩壊してしまうリスクがあるわけで、労基が入ったり、労基のブラックリストに登録されたりすることは企業にとって致命的なダメージを及ぼす可能性があります。

 ちなみにブラックリストこれです↓

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/170510-01.pdf

 コレに載っちゃったら、さあ大変。顧客や取引先からの信用を失い、敬遠されることになるかもしれません。

 CSR(企業の社会的責任)の重要性は年々高まっていますからね。

 それでも訴えて会社をクビになったらどうするんだと言っている人がいるみたいですが、そんな遵法精神の欠片もない、従業員を道具としてしか見ていない企業にしがみつく理由なんてどこにもないじゃないですか。

 

 どのみちそんなクソ会社に先は無いですよ。一緒に心中したいのですか? 見上げた忠誠心ですね。社畜精神とでも言うべきか・・・。

 労働市場が売り手有利の今のうちに転職してしまう事をオススメします。

 

 ちなみに余談かもしれませんが、ウチの会社は労基の監査が入ってから劇的にホワイト化してしまいました。

 勤務時間は分単位で記録。カードキーによる入退門管理が徹底されて、サービス残業はゼロに。

 毎週必ず定時退社日が一日設定されて、それを守らず残業していると上司から怒られます。

 長時間労働についても、上司が部下をきちんとマネージメントできてないと判断されて、上司がマイナス評価を受けてしまう。だから、上司からは早く帰れと言われます。

 休日出勤はよほどの理由が無ければ認められませんし、有給も取りやすい。

 それで仕事が回らなくなったかというとそうでもないですね。」

 

 最後に。

 

 ほんとコレ。

 グダグダ文句言ってるんじゃなくて、然るべき対処をすればいいだけの話。

 不幸自慢、社畜自慢してもしかたないんだよなぁ。

 私はこれまで企業経営者にデフレマインドが浸透して、それが景気回復の足かせになっているものと思っていましたが、今回の件で労働者側もデフレマインドに侵されているんだということを痛感しました。

 失われた20年の傷は想像以上に深刻だった様です。

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