IAEAが福島の処理水について、トリチウム以外の放射線核種が十分に取り除かれ、基準値以下に抑えられているという報告書を公開しましたが・・・
しかしながらこの人の様に、この報告書を全の真逆に解釈しちゃっています。
日本では、この部分は報道されない。
— エリック C.(どんなに漁民が反対しても強行する汚染水海洋放出反対) (@x__ok) July 11, 2023
日本ではトリチウムだけが含まれているかの様に印象操作されていますが IAEAの汚染水放出の報告書にさえもトリチウム以外の多くの放射性物質が含まれていることが報告されています。
情報操作で騙されている日本で、今、このことは周知される必要がある。 pic.twitter.com/JUZb31p3kr
この人はこの報告書を見て「トリチウム以外の放射線核種があるじゃないか」と言いたいのだと思うのですが、ちゃんと数字を見てくださいよと。
どの核種も基準値同等か、検出限界以下ですよね。つまり、ALPSによる再処理によってトリチウム以外の核種は取り除かれているということ。
だから問題ないというIAEAの見解なんですけど、この人は・・・「多くの放射性物質が含まれている!」と言って不安を煽る。
ちゃんと数字を見ろよ~~~!!
量の概念がない
こういう人たちにとっては放射性物質がたとえ0.01ベクレルあったとしても
「放射性物質がある! 危険だ!」
って感覚なんだろうか・・・
アルコールやタバコのニコチンなどは発がん性があり、人体にとって毒であることは常識だと思うんですけど、それでも許容され摂取することが容認されているのは、適量であれば大きな健康被害にならないからです。一度に大量に摂取したらもちろんアウトですけどね。
そして、たとえ人間にとって必要な栄養素である塩であっても、大量に摂取すると死んでしまいます。水もそう。水中毒になってしまいます。
つまり、肝心なのは一度に摂取してしまう量であって、有害物質の有る無しではないのです。
凶悪なウイルス、細菌であっても数が少なければ免疫で撃退できます。海水で薄めてしまえば一度に大量摂取してしまうリスクは限りなくゼロになります。
というか、どんな僅かでも放射性物質があったらダメだとか、そんな事を言っていてはこの地球上で住めるところなんかどこにも無いと思うんですけどね。
海洋中の放射性物質
彼らは海を放射性物質で汚染するのはとんでもないと言いたいのでしょうが、そもそもの話、その海には元々大量の放射性物質が存在します。
前回のエントリーではトリチウムだけに触れましたが、
IAEAが問題ないと結論を出したのだからいい加減に風評加害はやめよ
IAEAが報告書を公開 IAEAが7月4日にALPS処理水の海洋放出について、報告書を公開しました。 この包括報告書は、国際社会に対し、処理水放出についての科学的知識を明確にし、これまで提起されてきた ...
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海洋中にはトリチウムだけではなくて様々な放射性物質が大量に溶け込んでいます。
代表的なものが以下の4つですかね(3H=トリチウムのぞく)
単位がPベクレルではちょっとピンと来ないので兆に直します。
²³⁸U(ウラン)・・・ 30,000,000兆ベクレル
⁴⁰K(カリウム)・・・ 10,000,000,000兆ベクレル
⁸⁷Rb(ルビジウム)・・・ 100,000,000兆ベクレル
¹⁴C(炭素)・・・ 7,000,000兆ベクレル
うーん。桁が大きすぎてかえって分かりにくくなっちゃいましたかね。
福島原発から海洋に放出されるトリチウムの量は年間22兆ベクレルほど。
うん。まさに桁違いです。
で、上でエリック氏が懸念しているトリチウム以外の放射線核種の量は検出限界以下がほとんどで、1リットル当たり数~十数ベクレル程度しかありません。
しょっぼ。
いやほんと、これで大騒ぎできる事が信じられないですよ。
海洋放出で海が汚染される? いやいや元から放射能まみれですよ。
福島からの処理水海洋放出などなんの影響もございません。
我々は日常的に放射性物質を食べている
それで、この海水中に含まれている放射性物質なんですが、当然ながら海産物に取り込まれます。
そして陸上の農作物や家畜にも取り込まれて、最終的には我々の口に入ることになりますね。
主にカリウム40が食品中には多いのですが、
まあ、上位の乾物は水分が無いのでキロあたりのベクレル数は高くなりがちですが、生わかめ、ほうれん草は水分含んでいる割には多いですね。
他にも肉、魚、牛乳などから絶えず我々は放射性カリウムを日常的に摂取しているわけなんです。
その結果、体重60キログラムの人間の体内には平均して約7000ベクレルもの放射性物質が存在しているそうです。
日本人は平均して食物から摂取した放射性物質により、年間約1ミリシーベルトの被爆をしているとのこと。ちなみに世界平均は0.3ミリシーベルトです。
まあ、日本は海洋国家なので海産物を食べる機会が多いため、カリウムによる内部被曝の比率が高いのでしょうが、そんな日本は世界に名だたる長寿大国です。
年間数ミリシーベルトくらいの被ばく量では健康に悪影響はでませんからね。(むしろホルミシス効果がありますし)
つまり、我々は海から、食物から大地から、宇宙から日常的に放射線による被爆を受けているわけです。
福島からの海洋放出によってこの被ばく量が大きく増えることはございません。
核燃料に触れた福島の処理水と他国の処理水は違う?
それでもツイッターでは、
「メルトダウンした核燃料に直接触れた福島の処理水と他国の原発から排出される処理水を一緒にするな」
と主張する人が見られますが、、、
結論から言うと、ALPSで再処理された処理水は他国と同じなんですよね。
IAEAが問題ないとお墨付きを与えたのは、この処理水が他国と同水準であることが確認されたからですし。
それでも、
「他国の原発から排出されるものはトリチウム以外の放射線核種が含まれていないから、福島とは違う」
と言っている人がいます。
これはまあ、最初のエリック氏の主張に戻っちゃうんですけどね。それも含めて問題ないとIAEAがお墨付きをだしたんですけど、それを言っても納得しない輩にはこの事実を突きつけてみたらどうかなと。
実はイギリスにあるセラフィールド再処理場、フランスのラ・アーグ再処理場から排出される処理水は核燃料に直接触れています。
よって、その処理水には放射性セシウム、ストロンチウムが含まれており、過去にはそのまんま大量の放射性物質が海洋に放出されていたんですよね。
現在では福島同様に、ALPS処理で放射線核種は除去され、トリチウムのみを海洋放出しているのですが、これ状況としては福島の処理水と全く同じでしょう。
福島がアウトならば、イギリスもフランスも同様にダメだと思うのですが、海洋放出反対派は福島だけを執拗に批判します。
ここまで説明すれば、もう福島の処理水海洋放出に反対する理由など皆無だと思うんですが、それでも難癖つけて反対するというのなら、これはもう福島に対する差別と言って良いんじゃないですかね。
それとも、この海洋放出を認めたら日本の原発再稼働が進んでしまい、日本の経済が上向いてしまう・・・それを阻止したいナニカの勢力による働きかけなのでは??? と考えてしまいます。
ほんとに数字が読めない人は度し難い
最後、ちょっとおまけなんですが、
福島海洋投棄の汚染水に含まれるプルトニウム。
— エリック C.(どんなに漁民が反対しても強行する汚染水海洋放出反対) (@x__ok) July 12, 2023
日本政府や東電、IAEA は、これを除染水と呼ぶ。 https://t.co/7lSPXmum2V
このエリック氏。IAEAのレポートでプルトニウムがあると主張していますが、
見てください。
これほとんど検出限界以下、つまりプルトニウムを検出できませんでした。という事なんですよね。
これをドヤ顔で
「汚染水に含まれるプルトニウム」
と言えるのがすごいと思う。
ほんとに数字が読めない◯◯は度し難い。