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法人税減税しても法人税収が減らない。それならやらなきゃ損ですよね。


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最近ツイッターで法人税について触れることが多いのですが、法人税減税についてつぶやくとなんかやたらと批判的なリプがきます。
 
法人税率を引き上げて大企業からもっと税金を取れという意見もあるわけなんですが、法人税率を引き上げても税収が上がるわけではないんです。
 
これを法人税のパラドックスと言いますが、OECDにそれを証明するデータがあります。
 
 
 

OECDに加盟している国の平均法定税率は、2000年は28.6%でしたが、2018年には21.4%まで下落しているらしいです。

で、2000年には30%の税率を超えている国は60%もありましたが、2018年には20%未満の国しか税率30%を超えていないとのこと。

それで法人税収はどうなったかと言うと・・・

OECD平均で、2000年の法人税収対GDP比が2.7%だったのに対して、2016年は3.0%に上昇。

見事に増えていますよね。

G7の平均値でグラフ作ってみましたが、法人税率は右肩下がりに下がっているにも関わらず、法人税収はほぼ横ばいです。
(デフレで景気の悪かった日本が足を引っ張ってる感はあるけど・・・)

これは法人税率が下がったため、企業の投資、雇用が活発化し、GDPを押し上げたことが原因だと思われます。
 
ですが、こんな事実があるにも関わらず、
未だに「法人税を増税した方が賃上げ、投資増加のインセンティブになる」なんて言っている人が多くいます。
 
その理屈なんですが、
 
・法人税は人件費などを差し引いた利益に掛かるもの、どうせ法人税として取られるなら従業員のモチベーションアップのために企業は賃金を上げる。
・投資も同様に法人税として取られるなら・・・(以下略
 
こんな感じですね。
 
でもこの理論、穴だらけというかかなり無理があるんですよね。
 
まず、企業の目的は利益を出すこと。これが完全に抜け落ちています。
 
経営者は『利益を拡大すること』を株主から至上命令として与えられているので、いくら法人税が増税されたところで、利益を確保する努力はしなければなりません。
でないと株主への背信行為となり、株主総会で首を切られる・・・という事になるからです。
 
ま、個人事業主や従業員が数人の小さな法人であれば、わざと利益を出さないようにするということも可能かもしれませんが、一定以上の規模の法人になると難しいでしょう。
 
普通は法人税増税分の利益を確保するためにコストカットに励むことになります。
そのコストとは無論、投資計画の見直しと人員の調整です。
 
これが現実かと思います。
 
 
私も会社の企画の仕事に関わった事がありますが、将来の投資回収の見込みのない、利益を度外視した企画が通るとはとても思えません。
 
 
まあ、仮に、
もし、上記の株主云々の話がなかったとしても、
 
利益を出さないということは、FCF(フリーキャッシュフロー)も限りなくゼロになるということです。
これでは不測の事態で資金がショートし、破綻してしまうリスクが増大してしまいます。
 
それは大丈夫なのでしょうか。
 
そんないつ破綻してもおかしくない企業に金を貸す金融機関はいないでしょうし、株価も下がります(配当もないだろうし)。株価が下がり、企業の時価総額が下落すれば増資、社債発行による資金調達も難しくなります
 
こんな資金調達が困難な状況で、投資を拡大することは可能なんでしょうか。
 
 
韓国も2018年に法人税率を引き上げましたが、結果は散々だったみたいですしね。
(これは最低賃金を無理やり引き上げた事も影響していますが)
 
※なお韓国は日本の輸出規制を言い訳にして、法人税増税方針を転換する模様。いい口実ができてよかったね。
 
 
というかもう法人税は上げた方がよいか、下げた方がよいかなんて、もう既に答えは出ていると思います。
 
ほぼすべての国が法人税率を引き下げている事からもそれは明らか。つまり法人税率を引き下げる事の方がメリットが大きいと判断しているからに他なりません。
 
というか、帝国データバンクのアンケートでも法人税減税で、半分の企業が設備、人的投資を拡大すると答えておりますし。
 

法人税を減税した方が、企業の活動が活発になり、その結果我々国民の所得が増える。にも関わらず法人税収は減らないわけなんですから、

法人税減税やらなきゃ損ってもんでしょう。

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