よくある法人税増税肯定論
良くツイッターなどで法人税の増税を訴えている人を見かけます。その理由は多分
法人税増税肯定論
- 企業がなかなか設備投資しない、賃金を分配しないから法人税で政府が徴税し、国民に分配した方がいい。
- 法人税を引き上げると、企業は政府に税金として取られるくらいなら労働者に賃金として還元するだろう。投資も増える。
- 法人税減税しても内部留保になるだけだ。
大体こんな感じかなと思います。
しかしながら法人税減税の効果について帝国データバンクが企業動向のアンケート調査をしています。それによると・・・
- 法人税減税に対する企業の意識調査- TDB景気動向調査2014年6月特別企画 -
http://www.tdb-di.com/visitors/kako/1406/summary_2.html
『調査結果(要旨)
1. 法人税の減税に対する財源確保について、「外形標準課税の拡大」には企業の4割が反対。特に、賛成・反対ともに税の公平性を求める企業が多い。逆に「租税特別措置」や「税制優遇措置」の見直しには4割が賛成した。
2. 法人税の減税分の最も可能性の高い使い道では、「内部留保」が2割。しかし、給与の増額や人員の増強など「人的投資」とする企業が3割超、設備投資や研究開発投資など「資本投資」とする企業も2割となり、企業の51.3%が前向きな投資に活用する見込み。
3. 法人実効税率を20%台まで引き下げた場合、設備投資は総額で約6.2 兆円の押し上げが見込まれ、中長期的な投資活性化が期待される。
4. 法人税減税により5割超の企業が日本経済の活性化につながると認識。』
- 内部留保 ・・・ 20.5%
- 設備投資の増強 ・・・ 14.9%
- 研究開発投資 ・・・ 5.1%
- 社員に還元 ・・・ 17.3%
- 人員の増強 ・・・ 14.0%
- 借入金の返済 ・・・ 16.3%
- 株主への還元 ・・・ 2.5%
あれあれ?
法人税減税反対派の人の意見とは全く真逆の結果になっていますが・・・これはどういうことなのでしょうか。
一応内部留保が20%近くでトップなのですが、設備、人へ投資すると答えた企業は50%を超えてしまっています。
これはトータルで見たら労働者、一般の国民にとっていい事ですよね?
(内部留保は一般的な会計用語ではないので、企業がどのようにイメージしてアンケートに答えていたのかは不明ですが・・・)
あと、借入金の返済を強調する方がいるかもしれませんが・・・信用収縮だ! みたいな感じで。
でも、企業の資本体質を改善することは決して悪い事ではないですよ。
多少不景気になっても倒産のリスクが低下し、賃金と雇用を維持しやすくなるわけですし。
また、産業別の「資本投資」「人的投資」の分布が興味深い。
人的リソースが不足しているサービス業や小売業、そして建設業については「人的投資」の割合がかなり高いです。
一方で製造業は設備投資にかなりの比重を置くようですね。
総額ではなんと 約6.2兆円の増加!! とのことです。
非常に気になります。
法人税減税したらなぜ企業は投資を増やそうとするのか?
法人税率の国際比較をさぐる(2019年時点最新版) https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20190208-00113573/