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韓国はもはや社会主義政策の実験場

日本がもたもたしている間に韓国にMMTで先を越された?

最近何かと話題の韓国ですが、来年の予算で大幅に国債を発行するとかで、ツイッターのMMT支持者が妙に色めき立っております。

 

赤字国債60兆ウォン発行、合計513兆ウォンの「超スーパー予算」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190830-00080005-chosun-kr(リンク切れ)
『8/30(金) 7:58配信
 韓国政府が総選挙のある来年、大規模な国債を発行し、合計513兆5000億ウォン(約45兆2275億円)規模の「超スーパー予算」を執行することを決めた。これは今年に比べ43兆9000億ウォン(約3兆8666億円、9.3%)の増加で、政府予算が2年連続で9%以上増えるのは初めてのことだ。政府は29日、国務会議を開き、「2020年予算案」を確定した。政府予算案がそのまま国会を通過すれば、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足3年で政府支出が113兆ウォン(約9兆9527億円)増えることになる。

 洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は「経済活力回復に対する政府の強い意志を込めて、耐えられる範囲で最大限拡張的基調で編成した」と語った。成長率鈍化、景気不振、雇用の質と分配悪化、輸出減少などに拡散する危機を財政で鎮火させるという意味だ。今年を上回る予算の約半分を保健・福祉・労働分野に投入し、研究開発(R&D)と産業・中小企業・エネルギー予算も2けた増やすことにした。現政権になってから「土建積弊(前政権の弊害)」と見なされて支出が削減された社会間接資本(SOC)予算も12.9%増やすことになった。(後略)』

 

 まあ、記事を見ても日本と韓国とでは経済規模が違いますし、通貨単位もウォンではピンときません。


 IMFにある韓国の政務債務についてのデータを見てみますが、

韓国ムン政権は、だいぶ前倒しで財政を拡大していく予定の様ですね。

前年比9.3%の拡大とか、日本に当てはめると10~15兆円くらい拡大するという事になるわけですから。

というかそもそも、ムン・ジェイン政権の大型予算は、彼の経済政策の失策の穴埋めのため、仕方なくやろうというものです。決して前向きなやると決めたものではありません。

彼がやった政策

「最低賃金の引き上げ」「労働時間短縮」「法人税の増税」

大きくはこの3つですね。

どれも労働者の労働条件、賃金の改善を狙って実施されたものですが、これよく見るとどれも「企業に負担を強いる政策」ばかりです。

ま、おそらく、日本の共産、左派政党の考えと同じく、国民から富を搾取している企業を虐めれば、国民は豊かになる・・・とでも思ったんでしょう。

なんというか、あまりに短絡的な思考で目眩がします。

 

国の企業いじめ政策、その結果は・・・

その韓国の経済政策の結果はというと、

最低賃金の引き上げで、最低賃金以下の給与の労働者に対して、企業が賃金を払うことができなくなり、失業者が増加
特に若年層での失業率悪化が顕著でした。

最低賃金を一年で16・4%も引き上げちゃいましたからね。急激に引き上げ過ぎです。
さらに、労働時間の上限を週52時間に制限することで、企業の負担が増加。法人税率も22%から25%に引き上げ、今もなお課税対象の拡大を検討しているとか・・・

というわけで、韓国の企業はやってられねーって事で、国外へ逃亡という事に。

国内に目を向けるべき投資、海外に逃げる…雇用4万減少=韓国
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
https://japanese.joins.com/article/932/254932.html?servcode=300&sectcode=300
『 過去10年間、韓国製造業の海外投資増加率が国内設備投資増加率より2倍以上高かったことが分かった。この期間に製造業部門だけで4万2000余りに達する雇用が減った。外国は自国への海外投資を伸ばしている状況で韓国のみ投資が減っており、企業環境の改善を要求する声に力が加えられるものとみられる。

全国経済人連合会傘下の韓国経済研究院が27日、2009年から昨年まで国内外投資の流れを分析した結果、製造業の海外投資増加速度が国内設備投資の2.7倍に達したことが明らかになった。製造業の国内設備投資の規模は2009年99兆7000億ウォンから昨年156兆6000億ウォンへと年平均5.1%増えた。同期間における製造業の海外直接投資は51億8000万ドル(約5600憶円)から163億6000万ドルに拡大した。年平均13.6%増えたわけだ。

このような雰囲気は今年も続く見込みだ。国内設備投資増加率は昨年2016年以降再びマイナス(-1.6%)に転じ、今年第1四半期も16.1%減少した。2009年第1四半期(-19.4%)以降最低値だ。一方、韓国企業の海外投資は着実に増加している。先月、ロッテケミカルは米国でサッカー場152個の大きさの化学工場竣工式を開いた。事業費だけで計3兆7000億ウォン(約3400億円)程度が投じられた。

韓国経済研究院のホン・ソンイル経済政策チーム長は「昨年CJ第一製糖、今年にはロッテグループなどが米国に大きな投資をしたため、製造業の海外直接投資規模は今年も大幅に増えるだろう」とし、「最低賃金の急激な引き上げ、法人税率の引き上げなど国内投資環境が良くない状況で、企業の立場では製造原価を下げられる海外への投資誘因が大きくなるほかはない」と分析した。

(後略)』

 

まあ、この記事は過去10年間での統計なのですが、今後もこの傾向(海外への逃避)は続く見込みのようです。

左派政権って、雇用や賃金上昇のメカニズム、根本原理が理解できていないんですよね。
結局の所、企業を育てなければ豊かにはなれません。

儲けている(と思われている)奴を叩いても、結局はみんなが貧しくなるだけです。

 

彼ら(左派)は

金融緩和は企業優遇政策だ! とか言って否定していますが、日本と韓国の状況を見ればどちらが正しかったのかは一目瞭然ですね。

 

どんどんドツボにハマっていく韓国経済

で、冒頭に戻りますが、来年から景気の失速を食い止めるためのスーパー予算を敢行するとのこと。

法人税増税
最低賃金引き上げ
労働時間規制

に加えて財政支出の超拡大

もうすっかり韓国は社会主義政策の実験場になっちゃいましたね。

私自身、財政出動について真っ向から否定するつもりはないのですが、金融緩和を伴わない財政拡大はちょっとどうなのかと思います。

金融緩和を行わないと、韓国の長期金利が上昇し、ウォン高を招きます。
貿易依存度の高い韓国では為替変動の影響は甚大であり、財政出動の効果がキャンセルされかねません。

かと言って日本の様に量的緩和を実施したら、今度は大きくウォン安に振れ、これまた韓国経済に悪影響を及ぼしかねない。(海外資本がキャピタルフライトしてしまうかもしれない。97年の金融危機がそれ)

韓国の為替の適正レンジは恐ろしく狭いんですよね。
だから、事実上自由な金融政策は封じられている様な状況であるため、財政を拡大するしか他に方法がないという事は理解できます。


で、この超拡大予算を実行した結果、何が待ち受けているのか・・・

まあ、MMT支持者が想像しているような、良い結果が韓国にもたらされたら良いですね。

私は生暖かい目でその様子を見守りたいと思います。

アイキャッチの画像は『ぱくたそ』さんから頂いています。

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