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種子法もそうなんですが、最近ツイッターなどで水道の民営化についてのつぶやきが多く見られます。

で、その内容のほとんどが民営化に反対するもの。

 

理由は

「日常的に使う、国民の命に直結するインフラ事業を利益優先の民間にやらせるなんてとんでもない」

「外資に命の水が乗っ取られる!」

「海外は再公営化している」

「失敗例が多い」

 

以上の様なものがほとんどです。まあ、確かに民間企業、特に外資にライフラインを任せるのはちょっと怖い。反対する気持も分からないでもないのですが・・・

でも、このように反対している人たちは、今の日本が抱えている水道事業の問題についてご存知なのでしょうか?

 

反対ツイートを一通り見るものの、水道事業が抱える問題に対して、民間委託に代わる効果的な対案を提示している意見は見受けられません。

それどころか、水道事業の問題点すら呟いている人が居ないような有様です。

 

まあ、要するにただ反対!反対!って、叫んでるだけですね。

 

では、その肝心の日本の水移動事業が抱える問題なんですが、大雑把に箇条書きにすると

・日本の水道事業は市町村の自治体単位での運営が基本。全国で1400弱の事業体があり、非常に効率が悪い運用となっている。

・水道事業職員の高齢化と人員不足。三十年前に比べて人員は3割減っている。

・公的機関という性質上、経験豊富な民間人を雇い入れる事が困難。技術継承も難しい。

・老朽化した水道管の更新費用の捻出が困難。

 

要は人口が減って、各自治体の水道事業による収益が悪化する中、既存の公的な水道事業を維持継続することが困難になってきている。それが民営化(正確には官民による共同事業なんですが)が進んでいる背景として存在しています。

 

全国で水道事業が細切れの状態になっていると、各自治体で重複した仕事が多く発生してしまい、コストもアップする。そしてその技術や運用ノウハウの蓄積もバラバラになって、技術継承もうまく行きません。

 

このようなコストがかかる無駄の多い運用を続けていると、老朽化する水道管の更新費用が捻出できず、あちこちで水道管が破裂したり、赤水が出たりと、将来の水道インフラを維持することが難しくなります。

 

人手不足で技術継承もままならないのであれば、水道事業はいずれ破綻してしまうでしょう。

 

古い水道管破裂相次ぐ

http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/CO023571/20161204-OYTAT50006.html

『(前略)

 水道管の老朽化は全国的な課題だ。

 厚生労働省によると、14年度末時点で40年(耐用年数)を超えたのは12・1%(約8万キロ・メートル)。一方、同年度中に交換されたのは約5000キロ・メートルにとどまり、このペースだと30年後には50%を超える見込みだという。

 日本水道協会によると、漏水などのトラブルは年間約2万2000件発生している。厚労省の有識者会議は今年1月、「遠くない将来、国民生活に重大な影響を及ぼす」と警告した。

 ただ、人口減で水需要は減り、交換費用の捻出はたやすくない。このため、多くの自治体が水道料金の値上げを始めている。

 日本政策投資銀行の集計では、07年度以降の5年間で全国の26%の334事業者が値上げした。大阪府吹田市の場合、今年4月から2年かけて10%上げる。(後略)』

 

 上記は読売新聞の記事ですが、耐用年数(40年)を越えた水道管の割合は12.1%。長さはなんと8万km! それなのに1年間で更新できているのは5000km程度という事らしい。全く更新が追いついていません。

 

漏水を調査するだけでもかなりのコストと人手がかかる事でしょうね・・・。

自治体は水道料金の値上げを検討しているみたいですが、このままでは破綻は必至だと思います。

 

費用なんて国債、地方債発行でいけるじゃん! って安易に考えてしまうかもしれませんが、企業でもそうですけど、自治体もその事業内で収支を合わせるのが基本なので、そんな力技を適用するのは困難です。

(地方自治体は特に厳しい。夕張の例もあるし)

 

国債発行で費用を捻出することについて、私としては特に否定はしないんだけど、今すぐその理論について国民の大多数のコンセンサスを得ることは・・・実際問題、不可能だと思います。

 

自分たちの常識=世間の常識

ではありませんからね。

 

だから民間に水道事業の一部の業務を委託して、民間企業のスケールメリットを活かしてコストを削減し、老朽化した水道管の更新と維持を実現しようと政府自治体は動いている・・・というわけなんですよね。

 

でも、海外で水道事業は失敗して、再公営化された事例があるというつぶやきもちらほらと見えます。日本は時代に逆行しているという批判もある。

でもね、日本の自治体もそんなに馬鹿ではないんですよ。

 

海外の失敗事例を反面教師にして、民営化(正確には業務委託なんだけど)を成功させるにはどうすれば良いのかを模索しています。

これについては大貫氏の一連のツイートが参考になると思います。

 

大貫剛さんによる東京都水道局民営化についての解説

https://togetter.com/li/1187194

 

水道事業民営化は失敗している。だから民営化はダメだ。

これでは単なる思考停止だと思います。

なぜ失敗したのかを分析し、どうすれば成功できるのかを考えるのが普通だと思います。

 

それに民営化と一口に言っても、様々な形態があります。

イギリスみたいに水源の権利まですべて民間に売ってしまう完全譲渡から、権利は自治体が所有したまま運用だけを委託するモノ・・・と様々です。

 

日本の自治体が一般的にやっているのが運用管理の一部委託ですかね。ネットで調べればわかると思うのですが、既に多くの自治体で運用の委託が行われています。

これで、何か問題が起こった・・・という話は聞かないんですけどね。

ネット上で有名な松山市の件も、実態はこれですから

水道事業民営化デマに騙されないように

 

そもそも、委託するということは自治体と委託先の企業間で契約が締結されているはずですので、自治体の意図に反した杜撰な運用管理を委託先企業がやってしまった場合、契約違反で賠償金を請求することが可能です。

そんな契約に縛られた委託先がはっちゃけるなんてことはまずないと思うんですけどね・・・。

 

あと、東京の水道事業については、上記の大貫氏のツイートにある通り、海外の失敗に習って、自治体を含めた複数の会社が出資する合弁会社が包括的に水道事業の運用管理をする形をとるとのこと。

自治体が一定の株式を保有するわけですから、自治体にも発言権はあります。だから、民間企業は好き勝手できないと思いますのでご安心ください。

 

この官民一体の水道事業により、自治体単体では実現不可能だった広域包括的な水道サービスの提供が可能になり、スケールメリットを活かしたコストダウン、及び自治体の人手不足の解消が期待できる。と政府は見込んでいます。

その浮いたコストと、民間からの投資、民間企業の技術力を活かして、老朽化した水道管の更新や耐震化も促進させる事ができれば、今後10年、20年後も水道事業を維持更新していく道筋が見えてきそうです。

 

まあ、要するに。上に挙げた様に、水道事業の課題は非常に切迫しており、現状民営化の他に有効な解決策がないのであれば、民営化に舵を切っていくしか生き残る道はありません。

 

何もしなければ日本の水道事業は破綻します。

 

もし、反対派のあなたが本気で水道事業の民営化を止めたい! と考えておられるのならば、今の日本の水道事業が抱えている諸問題を解決できる代替案を提示することが最も効果的であると思います。

その代替案が、今現在政府が進めている案より素晴らしいものであれば、間違いなく水道事業の民営化を止めることができますよ。

さあ、ツイッターで、ただただ「反対! 反対!」とシュプレヒコールを上げていても問題は解決しません。

あなたが考える最強の水道事業問題解決策を政府にぶつけましょう。


 

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