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種苗法、UPOV条約を勘違いしている人がいるみたいですが・・・


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 最近もっぱらツイッターで情報を集めています。それで最近、私の種子法と種苗法は別物だよというブログ記事を見たのかどうか分かりませんが・・・

 

 種苗法は外資企業の種苗の権利をも守るから、国内の種苗を保護する法律ではない。

 種苗法はモンサントに日本の良質な種を滅ぼすことを許すことになる。

 種苗法は種子法とは全く真逆の役目をする法であり、意味が違う。種子法廃止を許してはいけない。

 

 上記の様なつぶやきを目にします。(ツイッターで『種苗法』で検索すれば出てくるでしょう)

 要するに種苗法は外資(モンサント)の権利にお墨付きを与える法だと言いたいみたいです。

 今度は種苗法を叩きはじめたということでしょうか? 種苗法は役立たずだから種子法が必要なのだと言いたいのかもしれませんが、種子法のどこに外資を規制する条文があるのでしょうか・・・。さっぱり分かりません。

 

 どうも種苗法とUPOV条約(国際種苗法)を誤って理解しているとしか思えません。

 

 外資企業の権利も守るって・・・そんなこと当たり前でしょう? 知的財産権の保護に、国内も海外もありません。知的財産、特許は世界共通、全世界で保護されなければ意味がありません。 国内だけしか権利を行使できないのであれば、日本で発明された技術が海外で勝手に使われてしまう事になりますよ?

 

 それでも良いのですか?

 

 種苗法は国内で品種登録された作物(植物すべて)の権利について、UPOV条約を締結した他国においても同様に権利主張できる法律です。

(ただ、きちんと登録しておかなければ権利主張できませんが、中国に盗まれたシャインマスカットはきちんと登録していなかったらしい・・・)

 

 ただ昔、日本のイチゴが韓国で勝手に盗まれて、栽培されているとニュースで騒がれていたと思います。あれは日本の農家が、韓国の一部の農家に栽培許可を与えただけなのに、勝手に自己増殖されたために起こった事件です。

 更に、当時韓国がUPOV条約に参加していたものの、韓国内でイチゴに対しては対象外としていたため、日本の農家が韓国に対して権利を主張する事ができませんでした。

 つまり、韓国の法整備の未熟さと、日本の農家が少々迂闊だった事が原因・・・ということなのですが、農水省も種子を海外に持ち出す場合は、その国がUPOV条約を締結しているかどうか、更にその品種を保護対象としているかどうかを事前に確認するようにと注意を呼びかけています。

 ただ、日本の農家が日本の種苗法に従って品種登録をしていれば、韓国がイチゴを保護対象外としていても、韓国産イチゴの日本への輸入差止め請求はできます。よって、現在では韓国産イチゴの日本への輸入はほとんどありません。(現在は2001年の1%ほどしか輸入されていないらしい)

 

 種苗法(UPOV条約)がなければそのまま日本の農家は泣き寝入りするしか無かったわけなのですが、それでも種苗法は役立たずなのでしょうか。

 UPOV条約(国際種苗法)への加入国、保護対象品種は現在どんどん増えています。

ですから上記の韓国の様な被害は、今後減ってくるでしょう。

 

 とまあそういうわけで、種苗法でモンサントの権利が守られるからヤバイって言ってる人は、外資企業の日本国内での権利主張は認めないが、日本の権利は世界中で認めろとでも言うのでしょうかね?

 そんな一方的な要求が国際社会で通るわけ無いでしょう。逆もまた然りです。

 種苗法の権利保護は、国内だろうか海外企業だろうが条件は同じ。要は市場競争で日本の国内のシェアを守ればいいだけの話です。

 日本のタネは優良な品種なんですよね? ならばモンサントごときに遅れをとることはないとは思いませんか?

 なんでモンサントがーって言ってる人たちは、そんな日本の優良種が駆逐されてしまうという前提で話をするのでしょうか? ちょっと理解できません。

 

 なにが悲しくて、劣悪な品種の種子を農家が喜んで買うと言うのでしょうか・・・。

 

 まあ、要するに種苗法は国内だけではなくて、海外においても登録した品種の権利が守られる法律です。特許法と同じですね。対して、種子法は県や自治体が選出した奨励品種の安定供給を義務付けただけの法であって、品種の権利の保護をしてくれるような法律でも、外資を規制する法律でもありません。

 品種の権利は種苗法が守りますので種子法を廃止しても問題はありません。

 

 種苗法、UPOV条約は各国、相互で種苗、植物の知的財産権を保護する。

 ただそれだけのことなのに、なぜかモンサントなどの外資企業の権利が守られて国内の種苗の権利は一方的に搾取されるという話になってて、なんか無茶苦茶な事になってますね。ということは、モンサントは国際条約すら通用しない権力があるというのでしょうか? もしそうだとしたら、70年も前に作られた古い種子法なんか必死に守っても仕方がないと思うんですけどね (^_^;)

アイキャッチの画像は『ぱくたそ』さんから頂いています。
 

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