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政府の赤字は民間の黒字?

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誰かの赤字は誰かの黒字・・・それ自体は間違ってないと思うけど

最近
「政府の赤字は民間の赤字だ。政府が赤字国債の発行を渋ればその分だけ国民が赤字になり貧しくなる」
 
なんて主張をツイッターでよく見かけます。
 
たぶん火付け役は以下のお二方でしょうか。
まあ、誰かの赤字は誰かの黒字・・・コレ自体はそのとおりかもしれませんが、これって単なる収支のフローですよね?
 
三橋氏や池戸氏は、政府の赤字が、あたかも国民の富とか、預金になるかのように語っていますが、富、預金ってストックだと思うんですけど。
 
なんでフローを見てストックが分かるんでしょう? 
意味が分かりません。
 
富とか預金とか、ストックは信用創造で殖えていくものだと思うので、別に政府の赤字、借金じゃなくても民間企業や家計の借金でも殖えるもののハズです。
 
 

政府の赤字(借金)じゃなきゃダメって事はありません。

 

誰が借金を増やしても構わない

もし仮に政府が赤字を計上しなければ民間の富が増えない。
 
これが正しいとなると、ずっと赤字である政府の富や預金、資産はどんどん減っていっている・・・という事になると思うんですが、そうはなっていませんよね。
 
政府の資産も増えていると思います。 
 
 
赤字というか負債については、別に政府と民間の2つに分けて考える必要は全く無くて、誰でもいいので借金を増やせば、資産、預金などのストックは増えます。
 
そもそも赤字=増えた借金額=増えたストック(預金など)ではありませんし。
 
赤字(収支)はあくまでフロー。フローを見ただけで、ストックがいくら増えたなんて分かりません。
 

デフレ期は民間が借金をしないから政府がする

デフレの問題はインフレ率がマイナスので、実質的な金利な金利が高いという点にあります。
 
実質金利 = 名目金利 -  インフレ率
 
例えば、名目上の貸出金利が1%でインフレ率がマイナス1%の場合。
 
実質的な金利は
 
1% - (-1%) = 2%
 
2%と、名目金利よりも高くなってしまいます。
 
つまり、デフレ下では借金をした時の実質的な金利コストが高くなってしまうわけです。
 
 
もう少しかみ砕いて言うと、
 
インフレ率が下がるということは、それだけモノじゃなくてお金の価値が上昇します。
 
これはつまり
お金の価値が上昇するということは、同様に借金の価値も上がるということになります。
 
マイナス1%のデフレの場合、100万円の借金があったら、一年後には実質的に101万円程度の借金の負担額になるというわけで・・・これでは企業は銀行からお金を借りるのを躊躇してしまいますよね。
 
 
だからデフレ期は政府が借金を増やして、国内経済を下支えする必要があります。(というか税収が下るので、自然に赤字国債の発行額が増えるのですが・・・民主党政権みたいに)
 
また、日銀が量的緩和を行って、貸出金利の引き下げを行う。インフレ・ターゲットを導入して、市場の期待インフレ率を引き上げ、更に実質金利を引き下げるといった措置が必要になるわけです。
 
 
金融政策で銀行貸し出しが増えるメカニズムについてはこちらを記事を参照ください。
 

リソースは有限! GDPは『国民総生産』なんだけど

この様な「政府の赤字は民間の黒字」と言っている方たちは、どうも政府が赤字=国債発行を増やしたら、その分だけ国民の所得が増えて、GDPも成長するかの様に考えているようですが……。

GDPは国民総生産であり、国民が働いて生み出した付加価値の総計である、という事の認識が無いように思います。(もしくはわざと無視しているか)

池戸氏は30兆円ほど国債発行を増やせ、と言っていますが、今はアベノミクスの効果により、民間が借金を増やして需要を増やしています。

 

この様な状況で政府が国債を発行し、財政出動をしても、民間の生産能力が追いつかずに、政府が財政出動した分だけGDPは増えません。

日本の人的、生産リソースが無限大という前提条件があれば、池戸氏の理論は成り立つと思いますが、リソースは言うまでもなく有限です。

現に今は各業界が人手不足になっているわけですし。

 

ま、外国人労働者を大量に受け入れる……というのなら話は分かるんですけど、三橋、池戸両氏は移民とか外国人労働者は反対の立場ですよね?

理論が矛盾し過ぎていて私にはちょっと理解不能です。

これ、結局は国債発行額の割にGDPが増えず、消費税増税の口実として財務省に利用されるだけになるんじゃないでしょうか。

あ、ただ名目的にはGDPは増えるかもです。でも実質的な成長は望めません。

要はインフレ率だけが上がるという事になるわけで……まぁ、それでも税率でインフレ率をコントロールするのがMMTのやり方らしいので、

MMT的にも財政出動からの消費税増税は臨むところなのかな?

 

要するに、単なるドミナントストーリー

実際のところ政府が作り出した需要=公的需要、民間が作り出した需要はアベノミクス以降増え続けているんですよね。(民需は再掲)

国内需要 = 公的需要 + 民間需要

これはつまり、アベノミクスによる財政政策+金融政策の効果により、民間経済が活発化し、需要が喚起されている事の証左に他なりません。

民間が積極的に借金を増やして、民間の資本、資産を拡大しているということです。
政府の赤字がとか黒字がとか特に関係はありません

借金、信用創造は別に誰がしても構いませんし。

しかし、

元々、三橋氏たちはこの公的需要を増やせと言っていたと記憶していますが、近年三橋氏が、公的需要や公的固定資本形成のグラフを使っていないように思います。

民主党政権時はかなりの頻度で使っていたのに。公的需要が足りないって。

これ、要は自身に都合が悪くなったからですよね。

公的需要のグラフを出してしまうと、安倍政権は緊縮だという自身の主張が嘘だとバレてしまうからでしょう。

彼らには、なんか

  • 安倍政権は緊縮でなければならない。
  • そして緊縮であるはずの安倍政権下において、民間需要、銀行貸し出しが増えているという事はあってはならない。

という絶対的な価値観があるみたいですし。

そんな不都合な現実から支持者たちの目を逸らすために

政府の赤字を減らしている = 緊縮

と、財政出動、緊縮の定義を変えて

緊縮だから、民間の黒字が減っているから民間の需要が増えるわけがない → 支持者たちは民間需要を見に行こうとしない。

そんな感じじゃないかなと思う。

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