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久しぶりに三橋氏のブログを読んでいますが(少し前のやつも含めて)、なかなかおもしろい内容のものがありますね。
『国債の新規発行額を減らすのは緊縮だ』とか
金融政策の継続を担保するためにも
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12339051181.html
『(前略)9月末時点で、日本銀行が保有する国債の割合は42.25%。
さらに、銀行(預金取扱機関)が保有する国債が168.8兆円と、170兆円を割り込んでしまいました。
現在のペースで日本銀行が国債を買い取っていくと、一年前後で銀行所有国債が100兆円を割り込むことになります。
日銀の量的緩和政策が強制終了となるXデイが、刻一刻と近づいてきています。
もっとも、Xデイを避ける方法は簡単で、政府が国債を増発すればいいのです。
ところが、財務省が22日に発表した2018年度の国債発行計画によると、新規国債発行額は、17年度当初計画を6776億円下回る33兆6922億円。8年連続で前年度を下回ることになります。
結局、日本政府はリーマンショックにより国債発行残高が増えた2010年をピークに、ひたすら新規国債を減額してきたのです。
これで、日本がデフレ脱却できたなら、まさに「奇跡」でございますが、奇跡は起きませんでした。
ところで、なぜ2010年がピークなのかといえば、もちろん同年、菅直人政権が「2020年までのプライマリーバランス黒字化」を目標として閣議決定したためです。
2010年にPB目標を閣議決定し、翌年からひたすら新規国債発行額を減らしていく。財務省は、こと「緊縮財政路線の推進」という点にかけては、超有能です。(後略)』
『このままでは日銀が買上げられる国債が無くなってしまう』という謎理論はとりあえず置いておきますが
(別に国債じゃなきゃダメというわけではないし。それに国債の新規発行は金利の上昇、円高要因になるので金融政策のアシストにはならないと思う。逆はあるけど)
三橋氏の理論では国債の新規発行額を減らす行為は『緊縮財政』である・・・ということらしい。過去の記事にもそのような記述が見られます。
参考までに産経新聞に歴代政権の予算比較表があったので、それを見てみますと。
高齢化、北朝鮮 「国難」突破へ決意
http://www.sankei.com/economy/news/171222/ecn1712220043-n1.html
たしかに、国債の新規発行額は安倍政権になって減っていますが、一般会計予算については拡大していますよね。
おそらく三橋氏は、安倍政権は緊縮財政をやっている。俺の考えた最強の経済政策をやっていないからデフレ脱却できないのは当然だと言いたいのだと思う。
しかし、単純な政府支出を出すと安倍政権は支出を拡大しているではないかとツッコまれてしまうので、新規国債発行額を減らしているから緊縮だとトリッキーな批判をしだしたのだと思われます。
民主党政権時は政府最終消費支出と公的固定資本形成の数字、グラフを持ってきて、政府支出を増やせ増やせって言ってたのにね。
まあ、この政府最終消費支出と公的固定資本形成の数字が安倍政権批判に使えなくなったから、別の数字『国債の新規発行額』を使う。
これって三橋氏が過去にマスコミを批判する時に散々言っていた『ドミナントストーリー』ってやつじゃないでしょうか?
結論がはじめから決まってて、前提条件が崩れたらまた別の条件を持ってきて、持論を見直そうとはしないってやつですね。
というか、私はデフレ時は民間じゃなくて政府主体で借金を増やして、信用創造、需要を増やしていく。インフレ期は逆に民間主導で借金が増えて、民間で信用創造ができていくものだと思っています。
デフレ期の日本政府だけが債務を拡大する構造は、あまりにバランスを欠いていると思いますし、いびつそのものです。
つまり、新規国債発行額が減り、なおかつ一般会計の予算も増やす事ができる今の安倍政権の経済状況は、政府主導で債務を増やす過去のデフレ期の歪んだ構造が解消されて、民間主導で債務や信用創造が回る正常な経済状況に移ってきている。
と、見ることができるのではないでしょうか?
なので、国債の新規発行額が減ったことを嘆く三橋氏の心境がいまいち良くわかりません。
アベノミクスで経済が好転している事がよほど気に食わないのかもしれませんね。自分の考えた最強の経済政策以外で問題が解決しちゃったら、自分の立場がなくなってしまいますからね。
あと、ツイッターで
「政府の赤字は民間の黒字。政府の黒字は民間の赤字」
みたいな事を言っている人を見かけました。
多分これ、PBバランス黒字化目標とか、新規国債発行額を減らす事に対するアンチテーゼのつもりなのかもしれませんが、別に民間が黒字だからといって民間(国民)の所得が増えるというわけではありませんので。
多額の赤字国債を発行していた民主党政権時、我々の所得が増えていたってわけじゃないでしょう?
先程述べたように、借金を増やして信用創造を拡大しているのが民間主導か、政府主導かの違いだけであり、両者を足したらゼロになってしまう、ゼロサムの内容についてギャーギャー言ったところでなんの意味もないでしょう。
更におかしなことに、アベノミクス、量的緩和を指示していた層においても、上記の様に新規国債発行額減少を嘆き、批判している者も散見されます。
そもそも、量的緩和の目的って、期待インフレ率を上げて、実質金利を引き下げ、企業の投資を引き出すことだと思うんですけど……
そうなれば必然的に民間が借金を増やし、民間の黒字が縮小する方向になると思うんですけど、それって悪いことですか?
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