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沈む中流? 30年間で世帯の所得は下がったか?

1世帯あたりの所得が約30年で大きく減少?

 NHKのおはよう日本にて以下の様な内容の放送があったみたいですが、

 まあ、要するに1990年より2018年の方が世帯所得が低くなっている、、と言いたいのでしょうが、これ肝心な要素を無視していますよね。

 ※私は放送全体を見ていないので何らかの注釈があったかもしれませんが。

高齢者世帯が増えていることを無視ししてる

 このグラフは世帯を世帯主の年齢区分ごとに分けて、それらの割合の推移を示したものですが、

 どんどん若い世帯が減って、高齢者世帯が増加していることが分かります。まあ、少子高齢化が進んでいますので、これはもうどうしようもないですよね。

 で、問題は高齢者世帯の方が若い世帯よりも所得が低いという事です。

 65歳以上は引退した方が再雇用で働いている・・・と思われますので(自営業は違うと思いますが)、所得はどうしても現役世帯よりも少なくなってしまいます。

 実際、2020年の家計調査のデータでは、34歳以下の家計の月の実収入は約55万円ですが、65歳以上の世帯では月44万円程度と、10万円も違いますし。

 ですから、高齢者世帯が増えるだけで、別に全体の所得水準が変わらなくてもNHKが示しているグラフのようにボリュームゾーンが下がってしまうという現象が起きてしまいます。

 ですが、実際のところは・・・


 世帯主の年齢区分ごとの所得の推移をグラフ化したところ、横ばいかむしろ近年では上昇傾向にあるぐらいです。

 ですから、NHKのグラフは別に我々の所得が減ったからではなく、ただ単に高齢者世帯が増えたために世帯当たりの所得が下がっているように見えるだけ・・・という、可能性が高いと言えるでしょう。

 

世帯数自体が増えている

 それから、無視してはいけないのが、世帯数自体の増加です。

https://www.pref.toyama.jp/sections/1015/lib/jinko/_rep_h27/report1-02.html

 昔の日本は祖父祖母と一緒に暮らして、親子数代で一つの世帯を構成していることが多かったのですが、近年では核家族化が進み、世帯数が増加し続けています。

 ですが一方で少子化により人口は増えていません。

 つまり、世帯を構成する人員が減っているというわけです。(グラフ参照)

 世帯構成人数が多ければ多いほど、その世帯全体の所得は当然多くなりますよね。勤労者が多くなる可能性が高いわけですし。

 したがって、一世帯当たりの所得は、

ポイント

・世帯を構成している年齢
・世帯数の増加、一世帯当たりの人員

 以上を考慮しして扱わないとミスリーディングになってしまいますよ という事ですね。

 まあ、NHKをはじめとしたマスコミは、わざとこれをやっている疑いがあるんですけどね・・・。自国を貶めて何がしたいのか良く分かりませんが。

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