れいわ新選組がマレーシア視察
昨年6月にマレーシアのマハティール首相が6%の消費税を廃止したことが話題になりました。
立憲民主党の若手有志議員が、れいわ新選組の山本太郎代表とともに、消費税を廃止したマレーシアの経済財政状況を視察している。消費税10%への引き上げを10月に控える中、税制の在り方を巡って議論を深める狙いがある。 神奈川新聞 2019年08月27日 05:00 https://t.co/9c8oXwjVTj
— れいわ新選組 (@reiwashinsen) August 27, 2019
#れいわ新選組 #山本太郎 街頭演説京王調布駅北口5/9―② 「消費税廃止」できないって思ってない? ・いやいや、マレーシアの新首相マハティール(93歳)さん 15年ぶりに復帰。公約通り、当選1か月もたたず税収30%占める消費税を廃止に。 ・マレーシアにできて、日本にはできない? pic.twitter.com/dtPeF1zB8f
— ワンコ171 (@1044jun) May 12, 2019
消費税廃止後のマレーシアは?
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_181214.pdf
※18年は予想となっていますが、現時点4.7%で確定しています(IMF)
17年のGDP成長率は5.9%にも関わらずに消費税を廃止した18年のGDP成長率が4.7%。経済成長が鈍っています。
ただ、これをもって、消費税廃止に経済浮揚効果はないと言うつもりは全くありません。(米中の貿易摩擦の影響で世界的に景気が失速中ですし)
というのもマレーシアは消費税は確かに廃止しましたが、その代わりにサービス税とセールス税を復活させました。
サービス税とセールス税、消費税との仕組みの違いについては以下のサイトがわかりやすいです。参考までに
【マレーシア】GST・SSTの仕組みと違いを徹底解説!消費者への影響は?https://kokonats.com/gst-sst
まあ、つまり、マレーシアは消費税は廃止したが代わりの財源となる税制を導入(復活)させたので、消費税廃止の効果が相殺されてしまっているということです。
この事については日刊ゲンダイが以下のように報道していましたが・・・
【野党連合「消費税廃止」公約へ】 れいわ新選組山本太郎代表を中心とする立憲民主党・国民民主党・日本共産党に朗報‼️マレーシアのマハティール首相(94)は消費税ゼロ達成で経済成長4%超え(日刊ゲンダイ) なお、ナジブ前首相とロスチャイルド銀行とゴールドマンサックス証券を排除した。 pic.twitter.com/4QNbd51u8R
— 𓉤箱コネマン𓁷 (@HAKOCONNEMAN) July 24, 2019
これ、卑怯ですよね。
見出しだけ見たら消費税廃止でマレーシア経済はバラ色・・・みたいな感じに捉えられかねません。
実際は消費税廃止と増税がセットだし、経済成長率は前年より縮小しています。
悪質な印象操作ですね。
どうしてもついて回る財源の問題
ま、つまり、マレーシアができたのだから日本も消費税廃止できるはずだ・・・とは、簡単に事は運ばないということです。
マレーシアもそうですが、どうしても財源の問題がついて回るのです。
今後少子高齢化が加速して、膨らむ一方の社会保障費をどう確保するのかという問題を抱えている日本では尚の事かと。
現在、社会保険料という名目で、現役世代、企業の負担がどんどん増していっているわけでして、ここで消費税廃止となると、その代わりに社会保険料がぐんっとアップ・・・という事になりかねません。
そうなるとただでさえ苦しい現役世代はもっと追い込まれる事に・・・。
で、年金世代は逃げ切り・・・という格好に・・・
(別に世代間の闘争を煽ろうというわけではありません)
そういった負担バランスについても考慮しなければいけないわけで、簡単に消費税廃止はできないと思います。
現実はシムシティではありませんし、内政チートもございません。
ま、一部で
『税収は財源じゃない』
という声があるのは知っていますが・・・MMTの支持者ですね。
それを真っ向から否定するつもりはありませんが、
残念ながらそれはあなた方の理屈であって、世間一般、財務省、議員たちの理屈ではないんですよね。
結局のところ、現実には財政出動と増税はセットになってしまうのです。
それでもMMTの考えを浸透させ、一般化するのにどれくらいの年月が必要か・・・私にはちょっと予想がつきません。10年か20年くらいで済めばいいんですけどね。
というわけなので、
私はドリーマーではなくリアリストですので、現実的なソリューションを考えます。
現実的・・・それは財務省や増税派の議員の理屈で、増税の根拠をなくしてしまいましょうというわけです。
現在、年々新規国債の発行量が減り、プライマリーバランスが改善して行っておりますので、このままアベノミクスを継続し続けていれば、財務省の理屈で、これ以上の増税をする根拠が無くなってしまいます。
残念ながら消費税は10%に引き上げられてしまう事になりましたが、今回は軽減税率がありますし、クレジットカードでの還付もありますので、前回の増税ほどのインパクトはないと思います。(クレジットの還付期間を延長し続ければ実質減税になるかも?)
MMT盛り上げたい人は盛り上げたい人で勝手にやっちゃってください。
ぶっちゃけMMTは現実主義者の私とは相性が悪いですので。
視察の成果はどうだったのか?
ところで、れいわ新選組のマレーシア視察の成果ってどうなんでしょうね?
ちなみに・・・
マレーシアの法人税率は資本金などで変わりますが、最大で24%
対する日本の実効税率は29.97%
で、マレーシアの方が低いです。
そして、何かと批判のある株や配当金にかかる税金ですが、マレーシアは非課税なんですよね・・・
というわけで、れいわ新選組の皆さんは知ってか知らずか、日本以上にネオリベな国、マレーシアに行って何を学んできたのかちょっと興味がありますね。
ま、単なるパフォーマンスで視察に行ったんだと思うんですけど。