最優先すべきはやはり雇用
昨今のコロナ騒動で、あらゆるイベントや営業が自粛され、日本はもちろんのこと世界全体経済への影響が懸念されています。
こういう状況なので、ツイッターなどでも、
「政府はさっさと金出せ」
という声が大きいです。
それはまあ、まっこうから否定はしませんが、お金を出すことは大事なんですけど、目下優先すべきは雇用を守ること、企業の経営を支援することじゃないかなと思う。
というのも今いろいろと自粛しちゃっているので、このタイミングでお金をだしても、使われる機会が少ないです。
で、結局雇用を維持することにはならない。
自粛が解除されて、いざ企業活動が本格化、お金が本格的に使われるようになったとしても、自粛解除までに雇用がボロボロになっていては、せっかくの財政出動の効果が薄れてしまいます。
繰り返しになりますが、
財政出動が雇用を支えるという側面を持っていることは否定しません。ですがそれはあくまで、消費者が支出を拡大しなければ成立しない間接的なもの。
自粛ムードが色濃い現在でうまくいくかどうかは疑問です。
というわけなので、直接企業の資金繰りを強化する、融資支援。そして雇用を維持させるための雇用調整助成金の充実が今は有効なのかなと思う。
まあ、雇用調整助成金はセーフティーネットになりえない
という意見もツイッターで見られましたが・・・
理由は、事前に計画計画を提出しなければならず、申請から助成までに時間がかかるということなんですが、政府は今回のコロナ対策のため、特例として、計画を事後で提出しても構わないという緩和措置を講じています。
詳細は厚生労働省のページを参照
新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大について
今般の新型コロナウイルス感染症により影響を受ける事業主を支援するため、雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大を今後行う予定です。
その概要は、別紙のとおりです。別紙の緊急対応期間は本年4月1日から6月30 日までとし、詳細については、あらためて公表いたします。
【公表資料】
○新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の特例措置の拡大
さらに、
助成率は、中小企業80%、大企業約66%として、解雇等を行わない場合は、中小企業90%、大企業75%まで引き上げるということなので、手続きの緩和だけでなく助成の内容自体も手厚くなっています。
十分セーフティネット足りえるのではないでしょうか。
というか、マスコミはこれガンガン報道して欲しいんですよね。
これ周知されないままだと、コロナの影響で解雇される人が増えてしまうかもしれませんので、
アメリカがガツンと財政出動しているのに日本は・・・
まあ、
アメリカがガンガン財政出動をしているんだから、日本もやれっていうのも分らんでもありませんが、
アメリカの財政出動の背景には、高い雇用の流動性がありますので。。。
要するに、アメリカは従業員の首を簡単に切れるので、今回のような経済ショックが発生したら、失業者があふれます。
だから、政府は失業者の生活を守るために金をばらまく必要があるわけなのです。
一方で日本は雇用がアメリカほど流動的ではないので、雇用調整助成金などの企業支援で国民の生活と雇用を守る方が効果的というわけで、
それぞれの国の経済背景、事情がありますので、アメリカがやっているんだから日本も・・・てな感じに単純にはいかないと思います。
雇用の流動化が悪いというわけではなくて、対処の方法が変わってくるという話
日本はアメリカをまんまマネればいいというわけではないと思います。
小切手を配ればOK?
あと、実際財政出動(現金給付)をするにしてもその方法が問題です。
小切手を配るという方法もあるかもしれませんが、小切手を受け取った後、それを現金に変えるには金融機関に行って手続きをしなければなりません。
最悪金融機関に人が殺到して、感染拡大・・・
なんて本末転倒な結果になる可能性も無きにしも非ずです。
マイナンバーと個人の口座が紐づいていれば、簡単に給付することもできたかもしれないのですが、まあ、タラレバ言っても仕方ないですね。
今できることをやるしかないです。
現在政府は申告制の給付を検討しているみたいですが・・・これは一律がいいと思うんですけどねぇ。。。
手続きが煩雑になってしまうものはちょっと頂けません。
108兆円の経済対策
政府から合計108兆円の経済対策が打ち出されるみたいですが、内容を精査できていませんので、まだ何とも言えませんね。
でもまあ、108兆円全部真水の財政出動って事はないと思う。
現実的では無いので。
中小企業への融資枠の拡大とか、経営支援とか、財政投融資とかそんな内容が中心かなと思います。
自分としては真水の量よりも、日銀が連携して動くかどうか、そこがキモかと思っているので、今後の動向を見ていきたいと考えています。