アベノミクスは低所得者層を増やしたのか?
以下は立憲民主党の前代表のツイートですが、
アベノミクスは、豊かさを一部に偏らせました。規制緩和、競争、強い者がより強く。もはや時代遅れの考え方です。支え合い、分かち合いこそ成長の鍵となります。「分配なくして成長なし」。これこそ、新たな時代の経済モデルです。いまが大転換の時です。どうか立憲民主党を押し上げてください。
— 枝野幸男 #立憲民主党 #埼玉5区 衆議院議員 (@edanoyukio0531) October 26, 2021
近年、アベノミクスの雇用の改善自体を否定することが難しくなったせいなのか(実際雇用増えてるんで当然なんですが)、増えたとしても低所得者が増えただけだとか、非正規だけだとか、別の方向からケチつけようと必死になっている人を見かけます。
枝野さんもそれと同じですね。
選挙前だったので、自民党の経済政策を批判し、票を集めようとこのような発言をしたと思うのですが、批判するのなら客観的にそれを証明する根拠を示して欲しいものです。
エビデンスのない話は誰からも信用されませんよ。(信者は除く)
というわけで、データを見てみましょう
2020年の民間給与実態統計調査が公開されましたので、給与階級別の給与所得者数とその割合のグラフを更新しました。
どうでしょうか?
民主党政権最後の年である2012年から低所得者層(だいたい100~300万円以下の層)はどう推移してますかね?
格差が拡大している! と訴えているニュースとか見ると、低所得者層の実数の増加だけを見て、「ほら、増えている!貧しくなっている!」みたいな主張をしていますが、低所得者層の増加とともに、中間層も増えていることを無視してはいけないと思います。
比率を見ても、明らかに300万円以下の割合が減ってますよね?
これは各所得階級の人が2012年→2020年の間にどれくらい増えたかを示したグラフですが、
うん。中間層が思いっきり増えてますよね。
本当に豊かさが一部に偏っていたのなら、こうはならないと思うんですけどね。
子供の貧困率ガー!の人どこ行った?
アベノミクス初期のころ、ツイッターやマスコミ記事などは「子供の貧困率ガー!」の大合唱で、自民党の経済政策による格差拡大を批判していた記憶があるのですが・・・
子供の貧困率が更新され、その結果が改善されていると分かると「子供の貧困率ガー!」の人たちは忽然と姿を消してしまいました・・・
あれだけ子供の貧困を憂いていたはずなのに、一体どうしてしまったのでしょうか?謎ですねー(棒)
子供の貧困率以外でも、全体の相対的貧困率、子供のいる現役世帯の貧困率、大人が一人の世帯の貧困率もおおむね改善傾向です。
まあ、でも相対的貧困率はあくまで「相対的」であるため、みんなの所得が平均して下がって、全員が平等に貧しくなってしまうと数字の上で改善してしまうケースがあります。そのため、注意が必要な統計ではあるのですが、
前述した中間層所得者の増加を見るに、その様な全員が貧しくなった要因により数字の上で改善した・・・というわけではなさそうです。雇用が大幅に増えていますし。
少なくとも、枝野氏が言っているように「豊かさが一部に偏っている」ことはないと言えます。
野党もマスコミも、きちんとした根拠を元に批判を展開しないと、信用を無くすことになりますよ?
というわけで、岸田政権もアベノミクス、安部・菅路線を継承し、金融緩和と財政支出拡大に努めて欲しいものです。
まとめ
- 中間層が大きく増加しているので、富が一部に偏っているという傾向は見られない
- 相対的貧困率もアベノミクスで改善中
- 格差が拡大しているというデータはない
- 子供の貧困率ガー!と騒いでいた人たちはどこに行ったのか・・・