福島原発の処理水に含まれるトリチウムが話題になっていますが、ちょっと放射能について私が過去に発言した内容をまとめてみようと思います。(チャンネルくらら含めて)
ベクレルとは
放射性物質が1秒間に崩壊する原子の個数を表す単位
1ベクレルとは1秒間に1個の原子核が崩壊するレベルの放射能の量という事です。
ちなみに欧米における食品中の放射性物質の規制値は1200ベクレル/kg
つまり「1000ベクレル程度なら健康に問題ない」が世界基準という事になります。
自然の中に存在する放射性物質
放射性カリウム(K40)は人間(体重60kg)の体内に4000ベクレルほどあります。
この放射性カリウムは食品から常に体内に供給され続けているため、濃度(量)は減りません。
つまり、我々人間はだいたい常に1秒間に4000発ものベータ線の内部被曝を受けているわけですが、もし1ベクレルの放射能でも人体に悪影響があるのであれば、もうみんな全滅ですね。
人間だけではなく、地球上の生物はみんな死滅していることでしょう。
ちなみにその放射性カリウムは海水に約12.1ベクレル/リットル含まれています。
これじゃ、放射脳な方々は、海水浴もできませんし、海産物もとてもじゃないですが食べられたもんじゃないですねぇ。どうしているんでしょう。
あと、カリウムだけでなく宇宙空間から降り注ぐ宇宙線も放射線の一種です。
高度が上がると宇宙線の量が増えるので、東京-ニューヨークのフライトでだいたい0.2mシーベルトの被曝量だそうです。
地上に居たとしても宇宙線で年間0.26mシーベルト被曝するそうですね。
うん、逃げ場なしです。
余談ですが、国際宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士は、1日1mシーベルトも被曝してしまうそうですね。
それから今話題のトリチウム。
トリチウムも大気中にある窒素が先程紹介した宇宙線にさらされて核反応を起こし、自然に大量に生成されています。
京ですよ京。桁が違います。
トリチウムは酸化してトリチウム水(HTO)という形で、地球上のあらゆる場所(65%が海)に存在。その総量は127.5京ベクレル。
やはり桁が違います。
1963年の大気圏内核実験停止条約締結までに核実験により天然由来のトリチウムの200倍の量が大気圏中に放出されたとされており。当時は雨水中に100ベクレル/Lのトリチウムがあったらしい。(現在は1ベクレル/L)
トリチウム水の性質は水と同じですので、フィルター、濾過、蒸留除去は不可能です。
したがって、当時の人達は100ベクレル/Lの水を常態的に飲んでいたことになります。
もし、僅かなトリチウムでも人体に悪影響があるのなら、今頃人類のみならず地球上の全生命は大変な事になっていたでしょうね。
ちなみにWHOのによるトリチウムの飲用水基準値は 10000ベクレル/L です。
トリチウムについて詳しくはこちら
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それから参考までに、世界の自然放射線量について
「年間20ミリシーベルトの基準について」 より 経済産業省
これらの地域にはもちろん人が普通に生活し、健康に過ごしています。
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放射線の人体への影響 ガン発生メカニズム
しかしながら、私は放射線、放射能は人体に全く悪影響がないと言いたいわけではありません。
放射能の影響として真っ先に思いつくのは発がんだと思いますが、ではその放射線による発癌のメカニズムについて説明してみましょう。
まず放射線が細胞内の水に当たると、水の分子がイオン化され、活性酸素(ヒドロキシルラジカル)が発生します。
この活性酸素は細胞内のDNAと結合し、DNAを損傷。DNAが損傷した細胞すべてがガン化するわけではないですが、一部がガン化してしまいます。
ガン化のプロセス
放射線が細胞内の水分をイオン化、活性酸素(ヒドロキシルラジカル)が発生
↓
活性酸素が細胞のDNAを破壊
↓
細胞がガン化
しかしながら、先程述べたように地球上の生物は常に放射線にさらされて進化してきましたので、生物の細胞が放射線に全くの無力・・・なわけがありません。
もしそうならとっくの昔に滅びています。
生物の放射線に対する自己防御機能
生物には以下のような放射線に対する自己防衛機能があります。
自己防衛機能
①DNAの自己修復
DNAは自己修復し元の状態に戻る機能を備えている
一つの細胞が一日に受けるDNA損傷→修復の頻度は約5万~50万回
②DNAの冗長性
実はDNAで人間のからだを形作る上で本当に必要となる部分は、全体の数%程度しかない。残りはダミーか複製(バックアップ)
③細胞の自殺(アポトーシス)
細胞は細胞分裂の際、DNAのコピーミスがあったり、なんらかの異常(ウイルス感染、機能欠損)があった場合、もしくはガン化した場合、自ら自殺(アポトーシス)する機能を持っている
アポトーシスが機能不全になった細胞がガン細胞として増殖する
①~③をくぐり抜けてきた細胞のみがガン細胞となるが、まだ最後の関門、免疫機能が残っています。
免疫機能
細胞がガン化しても免疫細胞(キラーT細胞)などに食べられたり、破壊されてしまうと増殖することができない
一般に一日に約5000個ほどのがん細胞が発生している
ガンとは意外に身近にあるもので、発病しないのは免疫機能のおかげ
免疫力が処理可能ながん細胞のキャパを超えてしまった時に初めてガンが進行する
つまり、ガンになりたくなければ、数ベクレル程度の放射能を怖がり、ビクビクするのではなくて、睡眠を十分にとって、ストレスのない規則正しい生活を送り、免疫力を向上させるのがいいと思いますよ。
免疫力が上がれば、ガンになり難い体になります。
あと、余談ですが、この活性酸素(ヒドロキシルラジカル)は軽い運動をしたあとでも体内で大量に発生します。
運動をすると酸素の取り込み量が増えるので当然といえば当然なのですが。
要するに、軽い運動後と低線量率の放射線を浴びたあとの体の中はだいたい同じ様な状況になるというわけで・・・。
放射能を怖がっているくせに、健康のためにランニングするっていうのもちょっと矛盾してるんじゃないの? と思いますw
活性酸素も適度な量なら古い、年老いた細胞を壊し、新陳代謝を促すわけですので絶対悪というわけではありません。
もちろん多すぎる活性酸素はダメです。がんのリスクを引き上げてしまいます。
健康には適度な運動が最適ですね。
放射能は全く安全だと言いたいわけじゃない
強い放射線を短期間に浴びれば人体に悪影響が出るのは確かなんですけど、僅かな強度、低線量率の放射線ならば悪影響を与えることはありません。
それは、これまでの自然界にある放射能と生物が持っている自己防衛機能の説明によりご理解いただけたと思います。
まあ、要するに、放射線、放射能はある一定のしきい値を超えると有害だが、しきい値以下であればとくに問題はないということです。
この特に問題のない低線量率の放射線を過大評価し、不安を煽ることは福島の風評被害を拡大する事になり、現地の方々の生活を苦しめることになってしまいます。
イデオロギーの弊害
私が、これはなるほどと思った記事。
原子力の前に恐怖、無知、異常な規制が立ちふさがる
『繰り返される技術の変化についての恐怖
意義深い例は、2万5000年前に、人類が最初に火を使用したときに起こっただろう。炎が燃え移り、「連鎖反応」で破壊が広がる-最初は危険だと感じただろう。動物はパニックを起こし逃げ去ったが、原始人は自然に感じる恐れを乗り越え、頭脳を使って学習した。
当時を想像すると、火の使用を反対する党派には、それが死や破壊を招くといった説得力のある主張があっただろう。しかし彼らは支持を失い、火の賛成派とは異なり、食事で生ものしかない、寒くじめじめした家に帰っていっただろう。その危険にも関わらず人類の文明が繁栄するには火が必要だったのだから、これは重要な結果である。(後略)』
これは火を例に挙げていますが、日本でも魚群探知機を開発した時、検証実験などでかなりの反対運動があったらしいです。
「超音波を放射するなんてとんでもない。魚が死ぬ」「健康被害がー」
などなど。
今の我々から見ると「何を言ってるんだコイツラは」「超音波は単なる音で悪影響なんかあるわけ無いだろ」と呆れてしまうかもしれませんが、当時の人達は超音波に対する知識がなく、なにか得体の知れないものとして、恐怖の対象だったわけです。
良く分からないもの、仕組みの分からないものって怖いですよね。
ですが現在では魚群探知機は市民権を得て、当たり前のように使われています。
それは超音波に対する正しい認識が浸透し、その効果、恩恵が理解されたので、恐怖の対象ではなくなったからですね。
人間らしく、頭脳を使って学習して恐怖を乗り越えたわけです。
これは放射能、原発でも同じことが言えます。ツイッターを見ていれば分かるのですが、放射能を異様に忌避している連中は総じて放射能についての知識が乏しいです。
怖いのなら尚の事、放射能について調べて、勉強すればいいのに・・・と思うのですが、なぜか彼らは調べません。
調べたとしても、自分の主義主張を満足させてくれるようなインチキ臭いサイトや書物に飛びつくだけで・・・埒が明きません。
どうあっても、放射能は怖いもの。原発はなくさなければならないものだ、というイデオロギーに凝り固まっている様です。
このイデオロギーが厄介なんですよね。
でもまあ、今は昔と違ってツイッターやブログなどのSNSが発達し、新聞、テレビ以外でも方法を発信することができるようになったので、いい時代になったなと思う。
マスコミは無用に不安を煽るだけで役に立ちません。
我々が少しづつ正しい情報を拡散していくしかないですね。
頭を使って学ばない、放射脳な連中を嘲笑してやりましょう。
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